DDNのストレージソリューションが提示するAI時代に求められるデータ基盤の最適解 Vol.1
DDNのストレージソリューションが提示するAI時代に求められるデータ基盤の最適解 Vol.1
統合ストレージベンダーとしてHPCで培った実績をエンタープライズにも拡大
データダイレクト・ネットワークス (DDN)は、規模や容量、可用性のすべてにおいて非常に厳しい要件が求められるハイパフォーマンスコンピューティング(HPC)のストレージシステムで、数多くの実績を積み上げてきた企業です。過去20年以上にわたって企業、政府機関、公共部門など1万社以上のお客様への導入実績を誇り、グローバルで10か所のデータセンターを保有しています。
さらに近年では、エンタープライズ向けにストレージシステムを提供する企業を相次いで買収、ソフトウェアディファインドストレージ(SDS)のNexenta社のマルチクラウドデータマネージメント機能、IntelliFlash社のエッジコンピューティング機能、Tintri社の仮想基盤ストレージ機能を統合、ストレージシステムのトータルプロバイダーとして、多彩な製品やサポートサービスを提供しています(図1)。
そして、DDNの日本法人であり100%子会社として2008年に設立されたのが、株式会社データダイレクト・ネットワークス・ジャパン(DDNジャパン)です。この規模の会社としては珍しく大規模なベンチマークラボを東京に設置しており、数多くのベンチマークテストやPoCを国内外のお客様に提供しています。また、ハードウェアの販売だけでなく、国内におけるサポートを可能とするエンジニアチームを擁しており、過去7年間で1.4エクサバイトに達する非常に大規模なストレージシステムを国内のお客様に提供、そのスピード感もますます加速しています。DDNジャパンは学術機関を中心として数多くのストレージシステムを提供してきましたが、他にもライフサイエンス分野、メディア、クラウド、製造業など、非常に高性能なストレージ機能が要求される数多くの市場への導入を拡大させています。
図1 HPC、AI、エンタープライズと、あらゆるデータに最適なストレージソリューションを提供
大規模AI環境の構築で浮上する課題とDDNによる解決のためのアプローチ
近年、DDNが注力しているのが大規模AI(人工知能)の領域です。業種業界を問わずAIを活用した大規模データ分析はビジネスを成長させるための推進力となっており、多くの企業・組織がディープラーニングや画像分析、自然言語処理を用いた取り組みを進めています。
しかし、AIテクノロジーの導入には多くの難題が立ち塞がっており、導入プロジェクトを立ち上げてもPoCの段階で頓挫してしまうケースも少なくありません。その理由には、システムの開発や導入に時間がかかること、複数のAIシステムを導入した場合、その統合と最適非常に困難であること、また、導入当初のプロトタイプから量産体制へスムーズに拡張できない、といったことが挙げられます。
また、AIシステムの導入を成功させるためには数多くの知見と実績を持ったテクノロジーパートナーの存在が不可欠ですが、自社にとって最適なパートナーを見つけ出すのは至難の業です。
これらの課題を解決し企業・組織のAI活用を加速するために、DDNとNVIDIAはパートナーシップを締結、GPUコンピューティングの性能を最大限に引き出すことが可能な、統合ストレージソリューションの実現に取り組んできました。
そうした両者のパートナーシップの成果が、「DDN A3I(Accelerated, Any-Scale AI)ソリューション」です。これはAIのユースケースやワークフローに最適化された唯一のストレージプラットフォームです。NVIDAのGPU性能を最大限に引き出す性能に加え、アプライアンス形態での提供による導入の容易性、そして、将来的なGPUの性能向上に伴うディープラーニング、およびAI活用モデルの進化にも対応可能な優れた拡張性を備えています。
製品ラインナップは2モデルを用意。最適化されたオールフラッシュで構成され高速なI/Oスループット性能と高いメタデータ性能、IOPSを提供する「DDN AI400X」、SSDだけでなくHDDとのハイブリッドにより高速かつ大容量ストレージ基盤を単独のプラットフォームで提供可能な「DDN AI7990X」が提供されています。この2製品はNVIDIAのAIスーパーコンピューター「DGX SuperPOD」上で検証され高い評価を獲得しており、本番システムとしても長期にわたって安定した稼働を実現する高速ストレージシステムであることが実証されています(図2)。
図2 AIのユースケースやワークフローに最適化された「DDN A3I ソリューション」のラインナップ