宇宙の新しい姿を知る重力波の直接観測を目指す「KAGRA」の2.4PiBメインストレージ
最先端の宇宙科学研究に関するコラボレーションを支える大規模ストレージ
全国共同利用研究機関である東京大学宇宙線研究所の重力波グループが大阪市立大学や国内外の多数の研究機関と共同で建設・研究を進めている、世界最高精度の重力波望遠鏡「KAGRA」。
「岐阜県飛騨市神岡町にある神岡鉱山の地下深くには、2002年にノーベル物理学賞を受賞した小柴昌俊博士の成果につながった宇宙素粒子研究施設「カミオカンデ」の後継施設「スーパーカミオカンデ」をはじめ、宇宙の謎に迫る世界最先端の研究施設が整備されています。いま、ここで新たな研究計画が動き出しました。
それがKAGRA計画(大型低温重力波望遠鏡計画)です。この「望遠鏡」によって、地底深くからとらえようとしているのは、光や電磁波ではなく、重力がもとになって生まれる宇宙からの波動「重力波」です。重力は、宇宙の構造や進化を支配するとても重要な力で、重力波を観測できるようになることは、宇宙の謎を知るために非常に重要です。大型低温重力波望遠鏡計画は、ブラックホールの解明などをめざし、「重力波の直接観測」に挑戦しています。」(KAGRA ウェブサイトより)
このKAGRAシステムのメインストレージとして使用されているのが、下記の要件を満たしたDDNのSFAストレージです。
・安定性と拡張性
KAGRAでの実験で得られる観測データは長期間にわたって安全に保存する必要があり、重力波探索解析計算観測運転中は昼夜を問わず1日24時間にわたってほぼ一定量のデータが取得される。よって連続運用に耐え、長期観測運転への拡張性を備えていること
・大規模データへの対応
KAGRA検出器の生データ(年間640TB)、解析料処理データ、シミューレーションデータ
・コラボレーションの必要性
多くのKAGRAコラボレーター(2018年5月現在で308名)からのデータへのアクセス、国内外のKAGRA共同研究機関への部分的なデータ配送、海外の重力波実験との観測データ共有