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技術資料
2017/03/02

オブジェクトストレージ選択の9つのポイント [プロトコルのサポートと業界標準](9/11)

メディア

オブジェクトストレージ技術を検討し、適切な技術の選択のために知っておくべきポイントを紹介します。この記事は、Architecting IT社のChris M Evans氏が独自に作成した記事を、データダイレクト・ネットワークスがPDFとして提供したものの日本語訳の一部です。原文タイトルにある「オブジェクト・ストア」には日本での一般的な表現として「オブジェクトストレージ」を当てています。

機能8:プロトコルのサポートと業界標準

初期のオブジェクトストレージはHTTP(S)プロトコルに基づくもので、RESTベースのAPIコールを使ってデータの保存と呼び出しを行っていました。HTTPの使用は、ネットワークのどこからでも(LANとWANの別を問わず)データにアクセスできるという点では柔軟ですが、スケールアウト・ファイルシステム内に保存されたデータへアクセスする場合と異なり、オブジェクトストレージを使うようにアプリケーションをコーディングする必要があります。結果として、各ベンダーが製品にNFSおよびSMBのサポートを追加するようになり、標準的なファイル・ベースのプロトコルを通じてデータの保存と呼び出しを行うことができるようになりました。スケールアウト機能を完全にサポートするには、サポートに並列ファイルシステムを含める必要があります。

拡張プロトコルをサポートするということは、既存のアプリケーションを簡単に移植または変更して、そのデータにオブジェクトストレージを使用できることを意味します。また、スケールアウト・ファイルストレージに対し、ファイルストレージをエミュレートするオブジェクトストレージを使用することによるアーキテクチャの違いも検討に値します。基礎となるデータの保存には、iノード(inode)とディレクトリに基づく構造は使われないので、システム・クラッシュ後にFSCK(ファイルシステム・スキャン)の概念が適用されることはありません。これは、従来型のファイルシステムと比較して、ファイルシステムをサポートするオブジェクトストレージのスケーラビリティと性能に関し、大きな示唆を与えるものです。

プロトコルのサポートも、デファクト・スタンダードや業界標準を採用するように拡張する必要があります。オブジェクトストレージの場合、これは、広く使われるようになった2つの「標準」であるS3とSwiftを使用できることを意味します。2006年にリリースされたS3(Simple Storage Service)プラットフォームでAmazonがオブジェクト市場に早くから参入したことによって、S3 APIは標準的な存在となっています。これは十分に確立され、成熟した包括的な技術であることから、多くのベンダーが採用しています。Swiftは、OpenStackプロジェクトのオブジェクトストレージ・コンポーネントから開発されたものです。


【オブジェクトストレージ選択の9つのポイント 目次】

オブジェクトストレージ選択の9つのポイント [はじめに](1/11)

オブジェクトストレージ選択の9つのポイント [拡張性](2/11)

オブジェクトストレージ選択の9つのポイント [データ保護](3/11)

オブジェクトストレージ選択の9つのポイント [検索、インデックス機能、メタデータ](4/11)

オブジェクトストレージ選択の9つのポイント [性能](5/11)

オブジェクトストレージ選択の9つのポイント [セキュリティ](6/11)

オブジェクトストレージ選択の9つのポイント [コンプライアンスと監査](7/11)

オブジェクトストレージ選択の9つのポイント [導入モデル](8/11)

オブジェクトストレージ選択の9つのポイント [プロトコルのサポートと業界標準](9/11)

オブジェクトストレージ選択の9つのポイント [総所有コスト(TCO)](10/11)

オブジェクトストレージ選択の9つのポイント [まとめ(結論)](11/11)

 

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出典:"Nine Critical Features for Object Stores" by Chris M Evans 
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